骨折を早く治したい方へオススメ!【超音波骨折治療法】とは




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骨折をされた方の誰しもが考えるのは、【骨折を早く治したい】ということだと思います。骨折をすると手術や固定などに加えて、リハビリテーションを行なって関節可動域を拡大させていくことが一般的ですが、骨そのものの治癒は時間が経たないと良くなってはくれません。骨折の治療には通常数週間〜数ヶ月かかると言われていますが、骨癒合が少しでも早く得られれば家事や仕事、スポーツなどへの復帰もそれだけ早くに実現できるでしょう。

今回紹介する【超音波骨折治療法】は骨癒合を促進する効果があり、治療時間の短縮に役立つとされています。サッカーのデビット・ベッカム選手や野球の松井秀喜選手らも使用され話題となった治療法ですが、どのような治療なのか詳細を簡単に解説していきたいと思います。

また、骨の役割や骨折の治癒過程をまとめた記事もありますので、こちらもあわせて参考にしていただければと思います。




超音波骨折治療法とは

概要

毎日一定時間、骨折部位に超音波を照射する治療法です。治療機器は医療機関からレンタルする必要があります。30mW/㎠と非常に低出力の超音波パルスという弱い超音波を利用しており、痛みや違和感を感じることはありません。皮膚の上から患部に断続的に細胞を刺激することで、骨の癒合が促進されると考えられています。骨癒合までの期間が平均で40%程度短縮すると言われており、偽関節や遷延治癒といった難治性骨折に対しては70%以上の効果があるとの報告もあります。

対象

保険適応となるのは骨折であればどれでも対象になるわけではありません。まず上肢・下肢・鎖骨の骨折には使用されますが、脊椎の骨折では使用はできません。また、診療報酬【超音波骨折治療法(K047-3)】【難治性骨折超音波治療法K047-2)】より以下の決まりがあります。

超音波骨折治療法(K047-3) 一部抜粋

超音波骨折治療法は、四肢(手足を含む。)の観血的手術、骨切り術又は偽関節手術 を実施した後に、骨折治癒期間を短縮する目的で、当該骨折から3週間以内に超音波骨 折治療法を開始した場合に算定する。なお、やむを得ない理由により3週間を超えて当該超音波骨折治療法を開始した場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を詳細に記載すること。

難治性骨折超音波治療法(K047-2) 一部抜粋

対象は四肢(手足を含む。)の遷延治癒骨折や偽関節であって、観血的手術、区分番号「K044」骨折非観血的整復術、区分番号「K045」骨折経皮的鋼線刺入固定術又は 区分番号「K047-3」超音波骨折治療法等他の療法を行っても治癒しない難治性骨折 に対して行った場合に限り算定する。

使用方法

使用時間は原則1日1回20分間行います。照射部位や設置の角度は医師の指導に基づいて使用する必要があります。適切な位置に照射されていない場合、十分な効果が得られない可能性があります。細かな機器の使い方などはこちらのサイトをご参照ください。

副作用

副作用はほとんんど報告されていませんが、稀に使用するジェルによる皮膚のかぶれや軽度の痺れや痛みを生じることがあります。




最後に

今回紹介した超音波骨折治療法は今後さらに活躍の場が増えてくる可能性がありますが、現状は上記したように対象に制限があるため、骨折をしている方であっても使用できない場合があります。また、同じような部位、同じような骨折でも骨の治るスピードには個人差があります。骨癒合を阻害する因子もあり、場合によってはそちらの治療も行うことも重要となります。

すでに使用されている方も、効果を十分に発揮するために毎日の照射が正しく行われているか、もう一度確認していただき、少しでもこの記事を治療に役立てていただければと思います。

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