作業療法士がオススメする介護・福祉用具まとめ【玄関・トイレ編】
病気や怪我だけではなく、歳を重ねていくことでも下肢筋力が低下し玄関などの段差やトイレ動作での転倒リスクが生じてしまいます。その不安から動くことが億劫になり、外出機会が減るなど活動の幅が減ることで体力や筋力の低下といった身体の廃用も進む悪循環へとつながってしまうことが多く見られます。
常に誰かに介助してもらえるとも限りませんし、何より環境を整えることで今ある身体機能を最大限に活用できるようになり、自分自身が行えることを増やして行くことは自信にも繋がり、それが毎日の生活の活力にもなり得ます。
今回は介護・福祉用具まとめ第二弾ということで、【玄関・トイレ編】では自宅にて工事が不要ですぐに使用できる手すりなど便利なものを場所別に紹介していきます。前回同様、紹介していく中には介護保険を使うことで工事費用が補助されるなどよりお得になることもあるので、利用されている方はケアマネージャーなどにご相談いただくと良いかと思います。
第一弾では【入浴編】にて、入浴の際に便利な介護・福祉用具を紹介していますので、こちらも併せて参考にしてください。
玄関にあると便利な福祉用具
玄関には、家ごとに異なりますが20〜30cmほどの上がり框があることが多く、転倒リスクの高い場所でもあります。安全に段差の上がり下りをするためには、踏み台あるいは手すりを設置することをお薦めします。
踏み台
踏み台を置くことで上がり框との段差を減らし、足を大きく上げてまたぐ必要がなくなるため、転倒リスクが減少します。
《オススメポイント》
4段階の高さ調節機能が付いているので、自宅の上がり框の高さや足の上げやすさに合わせて調整することができます。表面は凸状削り出しの滑り止め加工がされていて、靴下でも滑りにくくなっています。
《オススメポイント》
玄関台を2段にすることで1段の高さを10cmと低くすることができるので、足が上がりにくい方でも楽にあがることができます。また、前面板付きになっているため、つま先が引っかかって転倒する危険性が解消されます。
手すり
踏み台だけでは不安定な場合、置き型の手すりを使用することでより安全に段差昇降ができます。上肢の支えがあると、片足を上げた際にバランスを崩すことが減り、より安全に行うことができます。
《オススメポイント》
設置で玄関を傷つける心配がないので、借家等でも使用が可能です。ステップ台は4段階の高さ調節があり、手すりも左右どちらでも対応できますので、使用者に合わせて変更ができます。
《オススメポイント》
天井と床を支持するので場所を選ばず設置が可能です。今回紹介している場所の玄関にはもちろんトイレやソファ、ベッドサイドにも設置することができるので、段差や立ち上がりに役立ちます。
トイレにあると便利な福祉用具
トイレ動作で大変なのはズボンの上げ下げや立ち座りだと感じている方も多いと思います。狭いスペースで介助するのも一苦労されているのではないのでしょうか。少しでも安全かつ楽に動作を行うために手すりや便座の工夫が有効です。
手すり
手すりがあると、ズボンの上げ下げや立ち座りの際に支えとなり安定して行うことができます。
《オススメポイント》
既存のトイレに取り付けるタイプで、立ち上がりや座位姿勢の安定に役立ちます。肘掛は跳ね上げ式となっているので、不要なときには上げておくことで余計なスペースを取りません。
補高便座
足の筋力が低下していると低い椅子から立ち上がることが大変なのと同じように、低い便座からは立ち上がりにくくなります。そんな時は少し便座を高くすることで、随分と楽になります。
《オススメポイント》
表面は手入れがしやすいPVCコーティングされており、内側は高密度ポリウレタンフォームで柔らかな座り心地です。取り付けもねじ止めは不要で簡単に取り付けることができます。
まとめ
玄関・トイレにあると便利な介護・福祉用具を紹介させていただきました。今までは大変だと思っていた動作でも、環境を少し調整するだけで使用者も介護者も安全に、そして負担が少なくなることも多くあります。
今回も工事が不要で取り付けも簡単なものを選んでいますので、ご家族あるいはお知り合いの方で困っている方がいらっしゃれば、ご参考にしていただければ幸いです。